今年の夏(2018年)は、「30年に一度以下の頻度で起こる異常気象であったと言える」と気象庁から発表されたほどの猛暑が続いています。
7月30日~8月5日の1週間の速報値によると全国の熱中症による救急搬送状況は、13,575人でその内45.7%の 6,197人が高齢者(満65歳以上)です。
全国で35度以上を超える真夏日が続いています。
熱中症による高齢者の死者がでていると、日々のニュースで目にすることも今年の夏は特に多いと感じます。
上記の熱中症情報によると救急要請時の発生場所で、高齢者は「住宅等居住施設」が最も多いという結果が出ています。
家にいるから安心ではありません。風通しを良くしたり、エアコンや扇風機等の併用も大切です。
高齢者の方は、節電の意識が高かったりエアコンが苦手であったりするようです。
直接体に風が当たっていると、皮膚が痛いと感じる方もおられます。
ご家族やお近くで過ごされる方は、
「最近のエアコンは節電仕様になっていて電気代も高くはならないよ」と声をかけてあげては如何でしょうか。
また、風向きの調整をしてあげるのも良いと思います。
脱水症状は、体内の水分(体液)とミネラル(電解質)が、何らかの要因により不足している状態です。気温が高くなることで汗をかき、体内の熱を出すのですが、そこで十分な水分補給を行わないと体内の水分が不足していきます。
人間の体を構成する水分量は、成人で約60%、高齢者で約50%と言われています。
高齢になると暑さを感じづらくなる上に、暑くても体温調節機能が働きにくく、体に熱がこもりやすい、のどが渇いている(以下に説明します)のに気付きにくいなどの理由で高齢者の熱中症が発生し易くなっています。
そのほかにも、水分や電解質の補給源となる食事が細くなる点や、何度もトイレに行くのを嫌って水分を摂りたがらない、なども影響しているようです。
特に、脱水を起こしやすい疾患としては、以下があります。
特に、脱水を起こしやすい疾患としては、
このような方は特に注意が必要だと、東京都福祉保健局の「高齢者見守り訪問時の効果的な熱中症対策について」で述べられています。
この中にも「認知症は脱水を起こしやすい疾患」として取り上げられているので注意が必要です。
感覚機能が低下している高齢者は、のどが渇いていることに気づかない場合があります。
認知症の人は特にその傾向が強く出ます。自分が飲み物を飲んだかどうかを忘れ、長時間水分を摂取しないままになってしまいます。認知症の症状が進んでいる人にいたっては、飲み物という概念そのものを忘れてしまっている可能性も考えられます。
水分を摂る量が少ないと、認知レベルの低下が起こる可能性が高くなり、認知症の悪化につながる恐れがあります。そのため、周囲の人が定期的にチェックすることが重要になってきます。水分摂取だけでなく、室内環境や着衣の調節なども、サポートして欲しいとおもいます。