今日は、認知症カフェについてお話したいと思います。
認知症カフェは、2012年から国の認知症施策の一つ(通称「オレンジプラン」)として認知症の人とその家族を支援することを目的に普及が始まりました。
政府が今年6月に示した認知症施策の推進大綱では、「認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場」として2020年度末までに全市町村へ普及させると明記されました。
認知症の方やそのご家族は、家の中で過ごし孤立しがちになり、外出を控えるようになる傾向が見られます。
認知症の方、そしてその家族が、それまでと変わらない生活を続けられるよう認知症カフェを利用し、地域の人たちもその場を共にすることで、介護や医療の専門職の方から認知症について理解を深め、日常の一場面として認知症の方たちと対等な人間関係を築いていく。隔てなく、お互いに共存していくことが特別なことではない環境をつくることが、認知症カフェの目的であるといえます。
店内の一角に「Dカフェ=出張認知症カフェ」の看板を置き、「ファシリテーターと呼ばれるまとめ役が会話を取り持ち、たまたま近くに座っていた一般の方が会話に加わることもあるとか。
町田市によると昨年度は96回開催し、認知症がある164人を含む計945人が参加、参加者は増加傾向だそうです。
多くの市民の間近で開催されていることで、「若者の参加も増え、認知症への理解が広まっている」と手応えを感じているといいます。
この取り組みがいいな、と思ったことは一般の方が利用するカフェを開催場所としたこと。
あえてスターバックスで開催することで、一般の方が認知症に触れるきっかけができるので、より認知症を自分ごととして身近に感じてもらえることです。
このことで、認知症でないひとが認知症の人をやさしく見守る地盤ができていくのだと感じます。
国の方針として認知症カフェの設置が進められているので、皆さんの地域にも認知症カフェができることも考えられます。
そんなとき認知症のご家族をカフェに誘い出すのが難しい場合は、ご本人が親しみをもっているヘルパーさんやご友人に一緒に参加してもらうとよいかもしれません。
認知症カフェは認知症に該当する方やその介護者だけが通う特別な場所ではなく、日常生活の一部となって、誰でも気軽に利用できる場所になれば認知症に対しても理解が深まり予防にもつながるのではないでしょうか。