認知症と水分不足の関係

認知症と水分不足の関係

国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授によると、体内の水分不足と認知症に深い関りがあるとの事です。
『水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない』という著書をご執筆されています。

そのメカニズムとは?

水分補給

『水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない』とは、老化とは体内の水分を失っていく過程であるという考え方です。
人間の身体の多くは水分で構成されているというのは、皆さんもご存じの通りです。

子供の水分量
約75%
成人の水分量
約60%
高齢者の水分量
約50%

年を重ねるにつれ水分量は徐々に低下していきます。

身体の中で最も水分を蓄えているのは筋肉になります。筋肉の75%は水分なので、高齢者になるほど筋肉量が少なくなり、水分不足になりやすいと考えられています。

さらに、

  • 感覚が鈍くなり、喉が渇いても感じにくくなり、水分の摂取量が下がる
  • 腎機能の低下で、より多くの水分を排出してしまい、水分量が低下する

上記のメカニズムで、身体の水分量がより低下します。

感覚が鈍くなる点は、夏場に暑さを感じにくく、エアコンを掛けず熱中症になる高齢者のニュースをよく聞くと思います。

身体の水分の1%でも欠乏すると、意識がぼんやりし意識障害を起こすそうです。体重50kgの人なら、1%は250ml程度です。

コメント

ちょっとした水分量の低下で意識がぼんやりしてしまうということなので、自分もこまめに水分補給をしなければいけないな、と思いました。

水分低下と認知症の関係

認知症になると、認知力が低下します。これは、意識がはっきりしているかどうかとも関わってきます。

身体の水分は、汗・尿・排便などで、毎日代謝していきます。その分、補給しなくてはなりません。身体の水分量が1%低下することで、頭がぼんやりすることから始まり、その状況が継続することで、時間を掛けて認知症の症状へと変わっていきます。

竹内教授の調査では、鳥取県琴浦町の老人クラブで行った調査(約4,800人の65才以上を対象)では、1日にコップ3杯しか水を飲まない人は、6杯以上飲む人よりも5%程度物忘れが多いことが分かったそうです。

つまり、飲んでいる水の量が多い人の方が物忘れが少ないという結果です。身体の細胞に水分が満たされれば、覚醒水準が上がる事で、認知機能も高まるという考え方です。

竹内理論

高齢者ケアの基本は、水をしっかり飲んで、普通の食事をとり、運動し、自然な排便を促す事です。
具体的には以下の通りです。

  • 1日1,500mlを目安に水分摂取
  • むくみ治療の「利尿剤」は中止する

その他、「おむつゼロ特養ホームへの道」と題し以下のような活動もされています。

  • 日中おむつゼロとは、トイレで排便するということ。
  • 排便リズムの安定化と便意の回復を図ることが必要。
  • 下剤を中止する。

下剤を使わずに便秘を治すには、規則的生活、常食、食物繊維、水分1500cc以上、運動、定時排便、座位排便の7つのケアが大事。
さらに、ペーストやミキサー食、刻み食、おかゆも人間の食べる物ではなと言われていて、常食に勝る物は無いと結論付けています。

『高齢者ケアの基本は「水」「食事」「排便」「運動」の4つの要素の連動である!』という考えで、あたり前の事かも知れませんが、認知症でも人間的な生活を送る事が重要という考え方に私は共感しました。

コメント

水分摂取に気を配る事は、誰でも今すぐできるので実施すべきと思いここに記載致しました。

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