みなさま、今年のお盆はふるさとへ帰省されましたでしょうか?
各地の空港が込み合い、新幹線の自由席乗車率が一時的に100%を超え、高速道路も渋滞などと報道されていましたね。
久しぶりに会われたご家族に変わりはありませんでしたでしょうか?
もし、少し様子が変わっていても大抵の方は年のせい、気のせいで過ごしてしまうのかもしれません。
でも実はこの「あれ!?」「なにか違う?!」が認知症の、非常に大切な起点だと私は思っています。
家族は誰よりもその人を知っています。
家族が感じる「あれ!?」「なにか違う?!」という違和感は認知症の芽かもしれません。
認知症の芽を医学的な用語では、「軽度認知症(以降MCIとします)」といい、厚生労働省の推計では、約400万人いるとされています。
脳ドックなどでもMRIが使用されているため、MRIやCTで認知症が発見されると思われがちです。
しかし、MRI検査ではMCIの状態は発見できないと言われています。
なぜなら、MRIの画像は、脳の萎縮の程度や範囲などを確認することができるにとどまるものだからです。
では、認知症を発見できる画像診断は何かと言うと、PET検査が有効です。
PET検査では、脳の血流を見ることで認知症の原因疾患によって働きが低下する部分に違いが見られるため、MCIを発見する上で正確な情報を得ることができます。
たとえ病院を受診したとしても、5分程度の診察やMRI検査だけで認知症の判定はできません。
可能であれば脳PET検査も視野に入れて、認知症の治療に熱心に取り組まれている医療機関を受診してください。
認知症の症状は個別性が高いので一概には言えませんが、例えば以下のような以前にはなかったような変化があればやはり受診が必要です。
MCIは、厚生労働省の推計で約400万人いるとさきほどお伝えしました。MCIになると、必ず認知症に進行してしまうのかというと、そうではありません。MCIの段階で認知症の兆候を発見でき、かつその症状にあった適切な対応を行えば、半数以上のひとが元の健康な状態に戻ると言われています。
ですが、このMCIの状態で認知症の兆候を診断できる医師は、なかなかいないようです。
以下に、MCIを診断・予防するためのポイントを紹介します。
近年、物忘れ外来や認知症外来とな銘打った専門外来が設置されている医療機関も増えてきましたから、そこへ行けばMCIの段階で認知症の兆候を発見できるとお考えのかたが多いと思います。
これらの医療機関で、本当に早期発見が可能かどうか?残念ながら答えは「ノー」です。
先ほどもお伝えした通り、MRI検査ではMCIの状態は発見できません。肝要になってくるのはPET検査です。
日本の専門外来は「名ばかり」で早期診断と早期治療に積極的な医療機関が少ないのが現状だと、私が最初に読んだ認知症に関する書籍「認知症は防げる、治せる!」にもそう記載されています。
そのなかで、著書の佐藤先生は『認知症検査におけるPET検査の必要性を多くの医師、医療機関に知ってもらいたいと啓蒙活動をしているが、精神科の医師も、神経内科の医師も、脳神経外科の医師も、押し並べて興味を示しません。これが日本の現状です』と書かれていました。日本の保険制度では、認知症検査で脳PETに保険が適当されず、自由診療になってしまうために医師も医療機関も積極的にすすめることはないということです。
こういった背景から、認知症の兆候をいち早く知るためには、画像診断を積極的に取り入れている医師か、検査のための診断機器がある施設かの選択が重要になってきます。
(認知症を早期発見できない日本の医師や医療機関の問題については、「認知症医師・病院の真実」で詳しく書いています。)
PET検査の画像
認知症には現在、根治薬がありませんが、予防としてアリセプトを処方され内服することもあるようです。しかし、「認知機能のスコアは改善方向に進んだが、一部の方には不安や焦燥感が増した等の副作用もあった」との報告もあるようです。いくら処方薬とはいえ、服用に不安を残す副作用をもつ薬を(しかも認知症の根治は望めない)、大切な家族に服用させることに不安を覚えるのは私だけではないはずです。
その点においてサプリメントは基本的に食品で、安心して服用できるので、品質のよいものを選んで飲むのがいいと思います。しかし現在の日本にはサプリメントの安全性や品質について、明確な規制がないため粗悪な商品が流通していることもあるようで、実際に問題も起きていると聞きます。
そのような中、品質が良く、安心で安全なサプリメントを選ぶ基準となるのがGMP認定工場で製造されたサプリメントかどうかということです。
GMP認定工場について、こちらの記事「サプリメントの選び方」で詳しく紹介しています。
認知症予防のために折り紙をしている、クロスワードをしている、新聞を読む、など色々と取り組まれている方も多いようです。こういったことも大切なのですが、得意な分野を伸ばすだけでは積極的な予防とは言えないと思います。
これまでやったことのないことに挑戦すると、それまで眠っていた神経細胞や回路が呼び起こされ、死んだ細胞の肩代わりをしてくれるという説もあるようです。(引用元:週刊朝日MOOK すべてがわかる認知症2017)
積極的に人に会ったり、適度な運動も取り入れたりするなどして、認知症予防に取り組んでいただきたいと思います。
みなさまやそのご家族には是非、MCIの段階で認知症の兆候を見つけ、その症状にあった適切な対応を行っていただきたいなと思います。