認知症テストで何がわかるか?

認知症テスト

高齢者の運転による痛ましい事故のニュースが後を絶ちません。
以前にも「認知症と高齢者ドライバー」という記事を書かせていただきましたが、最近さらに目立ってきていると感じます。
池袋で起きた、幼い女の子と母親が死亡したニュースなどは記憶に新しいことだと思います。

「認知症テスト」の正確性とは?

2017年3月施行の改正道路交通法で、75歳以上の人は免許更新時に認知機能を調べる検査を受けることが義務付けられました。
高齢者による死傷事故のニュースの中で、事故を起こした高齢者が「免許更新時の認知症試験をパスしていた」と言われることがあります。
認知症について詳しくない方は、「認知症試験をパスしたのに、どうして事故をおこすの?」って思われるかもしれません。

認知症という疾患は、本人に「自分が病気(認知症)である」という自覚がありません。(専門的には「病識がない」と言います)

色あせた高齢者マーク

自分が認知症である、あるいはその傾向が多分にあるという自覚がないため、ご家族が「運転は危ないから止めて」といっても、聞く耳を持ちません。
困ったことに、認知症の特徴として、症状が良くなったり悪くなったりが1日の中、または日によって異なることもあります。わたしも経験がありますが、母の症状が良い日には、まったく問題なくコミュニケーションが図れることが実際にあるのです。

このように、日によってコンディションが大きく変動する認知症に対して、「認知症テスト」というのはどれほどの正確性をもつのでしょうか…

認知症テストで認知機能の重症度はわからない

現在、認知症の判定に使用されているテストの種類はこのようなものがあります。

  • 改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
    精神科医師の長谷川和夫氏が1974年に開発した簡易知能検査、一部改訂を経て日本の医療現場で多く活用されている。最高得点は30点、20点以下認知症疑い、21点以上を正常と判定した場合においてもっとも高い弁別性を示します。
  • ミニメンタルステート検査(MMSE)
    アメリカのフォルスタイン夫妻が入院患者の認知障害を測定する目的で開発した知能検査です。1975年に公表され、認知症のスクリーニングテストとして世界的に最も活用されています。27~30点異常なし、22~26点軽度認知症の疑いもある、21点以下どちらかというと認知症の疑いが強い。
  • 75歳以上免許更新時の認知機能検
    記憶力や判断力を測定する検査で、時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの検査項目について、検査用紙に記入して行います。検査の実施は、30分ほどで終わります。

これらをみてお気づきでしょうか。
このテストは認知症の疑いを示唆しているものであって、認知機能の重症度や診断ができるものではないのです。

その一方、アルツハイマー型認知症の回復について示された臨床データが2014年に発表されました。世界で初めて、認知症の回復が数値として表され世界を驚かせました。
日本テレビ「世界一受けたい授業」にも出演されたデール・ブレデセン医師が行った「リコード法」によるものでしたが、その後、認知症の回復を数値ではっきりと示すデータに、私は出会っていません。

ところが、認知症の方が劇的に良い方向に転じたという驚くべき数値データを入手いたしました。
これは、認知症を恐れる全ての方、ひいては未来の認知症予備軍である全ての人間に知っていただきたい情報となります。次回のブログで、その資料を公開します。

実際に探していただけると実感されると思いますが、「認知症の処方薬は進行を遅らせるだけのもの」という情報は数あれど、認知症の回復についてのデータは驚くほど出てきません。現在の認知症テストでは認知症の疑いを示唆するだけで、その後に治療をするにしても完治しうるはずのない投薬でいずれは認知症の最後を迎えてしまう。
私は、この現実を広く知っていただきたいですし、予防する方法があるということも広めたいと思っています。
次回のブログ、ご期待ください。

まとめ

今回のブログは、最近とくに目にすることが多い、高齢者による交通事故のニュースに絡めてお送りしました。

免許更新時の、簡易な検査をパスしただけでは、認知機能が正常であるとの十分な証明にはならないのです。
みなさんの周りにおられるご高齢のドライバーさんは、如何でしょうか。そばで見ておられて、少しでも心配な気配を感じられましたら、免許の自主返納へ導いてあげてください。自分が老いて判断能力や身体能力が落ちている、あるいは認知症である、その様な自覚がない方への説得は骨が折れることだとは思います。ですが、見過ごさないでほしいと思います。

高齢者を支えるイメージ

もし、自覚があるにも関わらず、運転を続けようとしている方がいらっしゃれば、その判断がいかに軽率で危険的な行為になるのかを知っていただきたいと思います。強い言い方になってしまいますが、同じように考えていらっしゃる方も大勢おられると思います。免許を自主返納される方も増えておられます。
どうか、悲しいニュースがこれ以上ふえませんように。