【最新2021年】改めて直近のデータと共に。認知症はどんな病気?

直近のデータを基に。認知症について

認知症についてどのくらいご存知ですか?また、直近のデータに基づいて改めてお話します。
世界の医療技術も進歩・成長を続けており、厚生労働省の調べによると2019年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳とわたしたちの寿命は伸び続けています。※1
現在の高齢者の割合は4人に1人、2060年には5人に2人が高齢者になると予測されています。※2
そんな我が国日本では近年、認知症がメディアで取り上げられる機会も多くなってきているため認知症について全く知らない人は少ないのは確かだと思います。でも、物忘れと病的な記憶力の低下との違いは一般の方にはわかりにくい、この状態で病院に受診するという行動をとる人が多ければいいのですが、おそらく様子を見る方が多いのではないでしょうか。また、病的に記憶力が減退している人は、自分が病気だとわからないために更に進行していきます。

認知症と物忘れとの違いはなに?

厚生労働省によると認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」と定義づけられています。※3

この定義では少し難しく感じるかもしれませんが、簡単に説明すると認知症は何らかの病気がきっかけに発症する症状の総称と言えます。認知症は大きく分けて3つに分類されます。

  • アルツハイマー型
  • レビー小体型
  • 血管性認知症

アルツハイマー型、レビー小体型は脳に存在するアミロイドβ、レビー小体と呼ばれる特殊なタンパク質が脳神経に蓄積され細胞が破壊され萎縮していく疾患、血管性認知症は脳出血や脳梗塞がきっかけに発症する疾患を示します。

加齢とともに脳の機能が衰退し、少しずつ記憶力・判断力・適応力が以前と比べて適正に働きにくくなる症状は自然な老化現象であり認知症とは異なります。

身近な症状で例えるなら、「あれ?なんだっけ」→思い出す「あっそうだ!」これは物忘れです。一方、頻回な鍵のかけ忘れ、水の出しっぱなし、予定を忘れたままの状態、忘れていることを周囲に指摘されても思い出せない、さらに、なんとなくイライラする、ぼーっとする、どこにも出かけたくない、誰とも会わなくなった等は、病的な変化を示している傾向だと言えると思います。

もっと詳しく!認知症の症状は?

認知症の症状には中核症状と周辺症状に分類されます。

中核症状:脳の病変のより出現する症状のこと

・記憶障害:記憶を司る器官(海馬)が破壊され物忘れ、物事が覚えられなくなり、思い出せなくなる症状

例: 同じものを毎回購入してしまう、家族とレストランに行ったこと自体を忘れてしまうなどが挙げられます。1つの物事だけではなく行なったこと丸ごと忘れてしまうこともあります。

・見当識障害:現在の季節や日時、今いる場所や人間関係がわからなくなる症状

例:家までの帰り道を忘れてしまう、車で出かけて歩いて戻ってくる、季節感のない服装をする、娘を他人と認識するなどが挙げられます。理解力と判断力の障害:思考力や処理能力が低下します。進行すると、複雑なことも読み解くことできなくなります。

周辺症状:その症状に個人的な性格や周囲の環境が合わさり2次的に引き起こされる症状

中核症状が出現するため、認知症初期はいつも以上に不安になったり、うつ状態になったり精神状態が不安定になりやすく、症状の進行とともに、誰かにお金を取られた、死んだはずの家族がいるように話すなどの妄想、あてもなく理由もなく出歩くなどの徘徊、周囲を気にせずに大きな声をだすなどの興奮と介護者や家族に対する暴力、自身の糞便を触ってベッドの柵などに塗りつけたりする不潔行為などが見られることがあります。

認知症発症患者へ家族ができる関わり方

認知症を発症した本人は症状の進行とともにいつも出来ていたことがスムーズに出来なくなり自分の変化に気づき始めます。この経験が自信喪失の原因に繋がります。ご家族も戸惑うと思いますが出現する様々な症状を受け止め、否定しないことが本人の精神面の安定のためにも大切になります。

しかし、徘徊する行為は、昼夜の見当識が無くなっていると早朝でも真夜中でも起こります。自宅内にとどまらず、鍵をあけて外に出てしまうこともあります。また、不潔行為は一般の人たちは到底普段は目にしない行動ですから、特に近親者や家族をとても悩ませます。寿命が延びていて、超高齢化社会の中で、家族であってもこのような状態で長い間、自宅でみるというのは非常に厳しいことだと思います。

家族や近親者が、いつまでも当人の心に寄り添い大切にサポートしていくためにも、早い段階から、行政、病院、医師に相談し適切な支援を受けることを推奨します。