認知症の現状

認知症の現状

認知症1300万人時代の到来

日本の総人口は、2016年4月には1億2698万人と減少が進んでいます。そのなかで、大きな問題となっているのが高齢者数の増加、そしてそれに伴う「認知症の急増」です。

厚生労働省は2015年1月、全国で認知症の患者数が2025年には700万人を超えると発表しました。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人にひとりが認知症に該当する計算です。認知症高齢者の数は、2012年の時点で約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しです。これに「認知症予備軍」といわれる軽度認知障害(MCI)を加えると約1300万人となり、65歳以上の3人にひとりが認知症またはその予備軍という事になります。

認知症規模のグラフ

社会問題

2020最新 認知症治療の現状

認知症は、現在の治療では治癒することができません。全て仮説に基づいて研究が行われ100年前から大きな進歩が無い状況が続いていることが、色々調べることで分かります。現在の日本で認可されている治療薬の効果についても私には疑問が残ります。

これまでの研究は、アミロイド仮説により行われてきた研究がほとんどです。いまだ原因が明確ではないにもかかわらず、新薬の効果を評価することが求められている難しい状況であり、正体のわからない敵に効果のわからない手段で立ち向かうという状態です。

その一方で、アミロイド仮説とは違う視点で成果を出しているという報告があります。

簡単に、100年前から研究が続いているものを「これまでの研究」として、アミロイド仮説やそれに派生する仮説をまとめました。さらに、アミロイド仮説とは違う視点の考え方で近年登場したものを「新たな考え方」についても合わせて紹介します。

認知症の薬開発

これまでの研究

アミロイド仮説

アルツハイマー認知症は、アミロイドβ・タウと呼ばれるたんぱく質が塊を形成して脳内に蓄積することで神経細胞が死滅し、記憶障害などの症状が出る。この過程で神経細胞が弱っていき、神経と神経の間で情報伝達を担う神経伝達物質の量も異常になり、記憶力の低下に拍車がかかるとされています。現在ある4種類の認可薬はいずれも神経伝達物質の量を調整し、記憶力低下を回復させるとされています。

オリゴマー仮説

アミロイドβのたんぱく質は3段階あります。酵素によって切り出されてできた最初のアミロイドβはモノマーと呼ばれ、これが複数絡み合ってオリゴマーになり、さらにそれらがプラークという塊を形成します。このプラークが脳内に張りつき、徐々に神経細胞を侵してアルツハイマー型認知症に至ります。段階を経るごとにアミロイドβは毒性を増していくそうです。

コリン仮説

神経伝達物質の研究によりアセチルコリン作動性神経系の障害がアルツハイマー型認知症における主な原因であるとするコリン仮説が提唱されました。仮説に基づきアセチルコリンの分解を抑制しシナプス間隙のアセチルコリン濃度を上昇させる目的で開発されたのがアセチルコリン分解酵素阻害薬です。治療薬はドネベジルに加え2011年からガランタミンとリバスチグミンがアルツハイマー型認知症治療薬として日本でも承認されました。

グルタミン酸仮説

グルタミン酸は脳内における興奮性のシグナル伝達物質であり、脳での記憶や学習に関わっています。アルツハイマー型認知症は、脳に異常なタンパク質が生成されています。そして、この異常なタンパク質によってグルタミン酸が常に放出されている状態となっています。グルタミン酸が過剰な状態であるとグルタミン酸放出に関わる細胞が死んでいきます。これによってアルツハイマー型認知症を発症すると考えられています。グルタミン酸仮説によるアルツハイマー型認知症の治療薬としては、グルタミン酸受容体を阻害する薬であるメマンチン(商品名:メマリー)があります。

新たな考え方

新たな考え方のどちらも、薬物投与による治療では無く、抗酸化作用の高い食品やスーパーフードと呼ばれるような食品、規則正し生活や運動など、私達がイメージする健康的な生活の実践が基盤になっている点が共通しています。

ホモシステイン酸

アルツハイマー型認知症の原因は「ホモシステイン酸」というアミノ酸であることを証明しました。この「ホモシステイン酸」の抑制、つまりは体内から減らすことが根本治療につながるという考え方です。認知機能の低下は、血液中のホモシステイン酸が引き起こしています。

リコード法

アメリカのUCLAのブレデセン博士が開発した、認知症の改善方法です。アルツハイマー型認知症の原因は、3つのタイプがあり「1.炎症」「2.栄養不足」「3.毒素」と考え、それ他のタイプを見極め、「治療」「サプリメント・きちんとした食生活」「運動や睡眠などを含めた、健康的で規則正しい生活」「解毒」の対策を実施することで、アルツハイマー型認知症の進行を防ぎ、改善させるという考えです。

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